昔から食されてきた大衆魚を紹介します。
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日本人に親しまれている アジ

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アジにはマアジ、ムロアジ、シマアジ、メアジなどがある。特徴としては、どれにも側線に沿いゼンゴ (ゼイゴ) があることで、なかでもマアジのゼンゴが一番はっきりしている。
マアジは普通アジと呼び、一年中とれる魚ではあるが、初夏のころから夏にむかって、ますますたくさんとれる。晩春のころ出まわる十センチぐらいのぴちぴちした小アジは、通りアジといって、群をなして回遊しているものが多く、すでに二十センチちかくも成長したものは、板つきアジといって湾内にすみつき、エサを十分に食べたものであるとは網代の漁師から聞いた話だ。
アジの料理法は、小アジは小アジなりにその寸法を利用した用い方がある。東海道線小田原駅で売っている アジずしは小アジである。三枚におろして、片身に斜め深く庖丁を入れ、それを開いた形である。手間をはぶいてか、皮をつけたままであるが、家庭で作るなら皮をとった方がいい。ナマグサの口直しにしそ巻のすしが添えてあるのは気がきいている。
アジを酢のものに作るには、塩をあてて、少なくとも一時間以上はしめなくてはならない。酢に浸すのは四、五分でよく、つけすぎて身の中まで白く酢焼けしたものはおいしくない。酢でしめるのでなく塩でしめるという考え方をはっきりさせることだ。
このことがナマグサをのぞく秘訣でもある。ァジは家庭料理の材料としては、万能選手で、塩焼、煮つけ、天ぷら、フライ、たたきなます、しんじょ、すりながしなど、なんでもこいだ。中骨を揚げた骨せんべいは、ビール党にも子どもにもよろこばれる。

アジの干魚は一塩の生干しがおいしく、晴天に一日干した翌日が食べごろである。身の表面にツヤがあって、透明感のあるものがよく、雨天のときは乾燥が悪く白濁となり、あぶらやけしたものは茶褐色となる。
ムロアジはマアジよりややまるみがあって細長く、ゼンゴは後半身のみにある。やはり初夏のころから活発にとれはじめるが、脂肪の少ないせいか味はマアジに劣る。しかし干魚にすると相当な市場性が生じる。ムロアジの一種のアオムロは、新島あたりでクサヤの原料となる。クサヤは火であぶって熟いうちにむしり、生酒をふりかけると風味ひとしおである。尾部の赤いオア力も伊豆諸島や相模湾でととる。

シマアジはアジ類中もっとも高価で、刺身や焼ものとしてぜいたく品に属する。すし屋の立食で、脂ののったそぎ身をタネにつけてくれるのも、夏めいた宵の風情といえよう。シマアジやカイワリは体形が扁平で、双方ともヒラアジと呼ばれているが、シマアジは体側に一本の黄帯が通っているので、カイワリとの区別がつく。

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